ペアガラスは防音効果がないって本当?

新築住宅の計画段階でピアノ室等を設ける際、防音についてのご質問を時々いただきます。

自身、以前楽器に触れていた時もあり防音についての意識は少し高い方です。
学び舎には大小50を超える防音の個室がありましたが、防音とは言え、かなり音が屋外に漏れていた記憶があります。
しかし、そこは「音楽の街、楽器の都」と言われる浜松市・・・ そのような環境も受け入れてくれる街だったのかもわかりません。

話はそれましたが、一番音が外部に漏れるのは、やはり窓等の開口部。
弊社の新築分譲住宅の壁厚は156.5mm以上。壁自体の防音効果は比較的高いのです。
さらに断熱・遮熱性能の高い最新のペアガラスが・・・
当然、シングルガラスよりは遮音性能も高いはず?

結論から申し上げると、
ペアガラスは防音効果がありません。

一般的にペアガラスはシングルガラスと比較して、断熱の他 防音効果も得られているような気がします。
但し、ほとんどの場合その2枚のガラスは同じ厚さのため、音の振動振幅が同じで共に共鳴し、
音を小さくすることが出来ずシングルガラスと同等か音域によってはそれ以下の防音性能しかありません。

で、防音効果を高める方法として

①2枚のガラスの厚みを変える。     → 共鳴を防ぎ、遮音効果を発揮する。さらに特殊なガスを充填し効果を高めた商品も。

②真空ペアガラスを使う。        → ガラス間に空気が存在しないので音が伝わりにくい。

③ペアガラスの片面が防音合わせガラス。 → ①の効果+合わせガラス内の防音特殊フィルムの効果に期待

④内窓を取り付ける。          → 窓間の新たな空気層が音を反復させ音を通しにくく、窓全体の気密性も向上します。

①、②、③のいずれかと④を組み合わせると より高い効果が期待できますが、コスト面も考えると④のみでも十分かと思われます。

さらにはシャッター雨戸があれば閉める、カーテンも閉めれば効果があがり、〇トリからは生地の裏面に樹脂コーティングを
施した遮音(防音)カーテンなるものも販売されており、他にも生地の厚みがあったり質量があればその効果が高いことがわかっています。

開口部の話ばかりになりましたが、壁、天井、床には遮音パネルやマット、吸音ウール
また、室内ドアは気密を高めたものから、グラスウールを充填したものまであり、
最後に換気扇についても、防音ダクト換気扇ですべて完了といったところです。
いずれも予算に応じて防音レベルをチョイスする事が可能です。

さあこれでピアノ室としてはほぼ完璧です!

とはいえ、100%音漏れを防ぐことは不可能です。
静かな夜間は小さな音でも通りやすいもの、夜間の演奏には特に気を配ることが大切です。
マンションより有利な一戸建てとはいえ、常識的の範囲で時間を決めて音を出すようにすることが最低限のエチケットです。

ちなみに、管楽器・ドラム等は本格的な専門メーカーが販売しておる防音カプセルが必要になると思います。

最後に、三協立山アルミ様より窓の防音について沢山の資料をご提供いただき大変勉強になりました。
ありがとうございました。

■■営業 R■■